上京前の作品は「漫画の形をしたお絵描き」。甲斐谷忍先生に出会い、描き上げる“漫画”で叶えたい夢とは

参加者の声

漫画家になる夢を捨てきれず、広島からの上京を決めたAAさん。慣れ親しんだ環境から一転、知り合いもいなければ仕事もないところからのスタートに、不安も大きかったと話します。ただ、トキワ荘プロジェクトの仲間との出会い、そして甲斐谷忍先生による教えをきっかけに、漫画を描くことへ改めてのめり込み、『週刊ジャンプ』で担当を獲得するまでに至りました。

そんなAAさんがステップアップするまでのヒストリーに迫ります。

AAさん
トキワ荘PJ卒業生

── AAさんがトキワ荘プロジェクトプロジェクトへ参加を決めた理由を教えてください。

漫画家になる夢を叶えようと思った時に、やっぱり東京に出ないと、と思って。シェアハウスを調べていたら、たまたまトキワ荘プロジェクトを見つけたんです。そこからはネットでひたすらトキワ荘プロジェクトのことを調べていましたね(笑)

── 広島と東京では漫画家になるための環境って違いますか?

そうですね、広島にはこれといって出版社も無ければ、漫画を描いている人も周りにいない状況でした。東京にはそれが全部あって。上京することに迷いはなかったですが、飼っていた猫と離れるのだけは最後まで寂しかったです……。

── そうだったんですね。

── ちなみに上京する前は、どんな仕事をしていたんですか?

会社員として工場勤務をしていました。2年で辞めて漫画家を目指すことは心に決めていたのですが、そうは言っても、退職を言い出す時は人生で一番緊張しました(苦笑)

ただ会社を辞めて上京するまでの覚悟を決めたからこそ、今こうして「ここでやらなきゃ」と自分を奮い立たせられているようにも思います。

── 結果としてトキワ荘プロジェクトには4年も入居してくださいましたね。

そうですね、入居した当初は20代前半で、チャレンジ精神を持って何事にも臨めましたが、今や20代後半。将来的なことを考えてしまいますよね。それで今は、「あと1年」というリミットを設けた上で、漫画家への道に示しをつけようと決意しました。

── トキワ荘プロジェクトの同居人との交流はどうでしたか?

一緒にごはんへ行くのも楽しかったですし、何より各々の描いている漫画を見せてもらえるのがとても良かったですね。やっぱり知っている人が描いている漫画を読むのは感動もひとしおですし、入居したての頃に賞を獲った方を教えていただいたときには、「すごい」と大きな刺激になったのを覚えています。

── トキワ荘プロジェクトが漫画家をめざす上でプラスになったようで良かったです!

漫画を描く人にとって、トキワ荘プロジェクトはいい環境だと思っています。今話したように、世に出ている漫画を描いている人にも出会えるし、関東に住めるというところも地方出身者にとってはメリットです。

── AAさんも今ではすらすらと描けるようになりましたか?

そうですね、でも漫画がわかるようになった分、自分で「構成がおかしい」「このシーンは余分だな」とか気づいてしまって、なかなか進まなくなった側面もあるんですけれど。

── ステップアップしたからこその壁かもしれませんね。

甲斐谷先生に出会ってから、“漫画”が描けるようになったとは思います。4年間、こんな有名な方から、プロットもネームもみっちり教えていただけたわけですから。今思えばですけれど、上京する前に描いていたのは「漫画の形をしたお絵描き」でしかなかったと痛感しています。

甲斐谷荘とは

経験豊富な漫画家をメンターとして迎え、定期的な面談と指導を受けられるのが甲斐谷荘。 甲斐谷荘では参加者全員が月に1度、甲斐谷忍先生から指導を受けられます。
甲斐谷荘に関する詳細はこちらから ≫

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経験豊富な漫画家をメンターとして迎え、定期的な面談と指導を受けられるのが甲斐谷荘。 甲斐谷荘では参加者全員が月に1度、甲斐谷忍先生から指導を受けられます。
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── 上京して、初めて気がづくことも大きかったのですね。

そもそも自分には漫画を描く才能が無いどころか、マイナスからのスタートだと気が付きました。今やっと、一般の人よりちょっとプラスになったくらいです。

── それでも努力を続ける中で、手応えを感じる瞬間もあったのではないですか?

『週刊ジャンプ』を中心に投稿を続ける中で、ある時2つの媒体から「担当がつきました」と連絡をもらったこともありました。先生のもとで描いているものがもう1つありましたから、泣く泣く1つに絞らざるを得なかったのですが、周りから「それはすごいことだよ」と言ってもらうことができました。

── 甲斐谷先生とのご関係は、ぜひ今後も継続させていただければと思います……!

はい!今となっては、甲斐谷先生が「自分もこうなりたい」という目標のような存在です。

── ちなみに今はどんな漫画を描いているのですか?

とある雑誌で編集と一緒に連載目指しています。

── 是非それも読みたいですね!

── 最後に、今後に向けて描いている夢を教えていただけますか?

自分の完成させた漫画を読者に届けて、面白いと思ってもらいたいですし、それで食っていきたいと改めて思います。以前は「お金を稼ぎたい」という気持ちが大きかったですが、今は「面白い漫画を描いて、それで食っていきたい」っていう、そういう思いの方が強くなりましたね。

── 素敵ですね。これからの活躍も応援しています!

2021年12月21日